歩くor走る?脂肪燃焼に効果的な有酸素運動のやり方は?
有酸素運動とは
有酸素運動とは「呼吸で酸素を取り込みながら長時間継続できる軽めの運動」のことです。
ウォーキングやジョギング、水泳、エアロビクスなどが有名ですね。
「有酸素」というのは筋肉を動かすときに起きるエネルギー供給システムの1つを指します。
体内の糖や脂肪を酸素と共に消費して筋肉を動かすエネルギーとしたのが有酸素運動で、ある程度の長時間に渡って筋肉を動かし続けることが可能です。対して、酸素を消費せずにこれを行うものを無酸素運動といい、こちらは出せる力こそ強いものの短時間しか筋肉を動かすことはできません。
陸上競技でザックリ例えるなら、3000m走は有酸素運動、100m走は無酸素運動といった感じです。
効率的に脂肪を燃焼させるには
このように有酸素運動は糖と脂肪をエネルギー源とする運動ですが、有酸素運動をすれば誰もが同じように脂肪燃焼するとは限りません。
そもそも私たちの体は、安静時には糖より脂肪の方を優先的に使うようにできています。そして軽めの運動をした時に糖と脂肪は1:1くらいの割合で使われ、さらに強度が増して息が上がるような運動になると今度は糖の方が優先的に使われ始めます。つまり、ある強度を境に酸素不足から糖と脂肪の使われる割合が逆転するのです。
この逆転が起きる強度を無酸素性作業閾値(AT)と言い、いわば運動で脂肪が燃焼する強度の上限値となるのですが、これにはかなりの個人差があります。具体的には、心肺機能が鍛えられた人ほど運動で酸素不足が起きにくくなり、この値も高くなります。
そのため、一概に「時速◯kmのスピードで走れば最も脂肪が燃焼する」と言えるような基準はありませんし、ATを測るのも専用の機材が必要なので現実的ではありません。
しかしそんな難しい手段を取らなくても、手軽に測れて脂肪燃焼のおおよその目安となるものはあります。それが心拍数です。
脂肪が燃える心拍数を知ろう
キツい運動をすると心臓がバクバクと激しく動くように、運動の強度は心拍数にも反映されます。
心拍数を測ることは、その運動が自分にとってどのくらいの強度なのかを測ることにもなるのです。
以下は、年齢と安静時心拍数別に見た脂肪燃焼に適しているとされる心拍数の早見表です。
※ 安静時心拍数・・・朝起きてすぐに測った時の心拍数
例)年齢20歳 安静時心拍数60拍/分 の場合
130拍/分くらいの心拍数で続けられる運動で最も脂肪が燃焼すると予想できます。
■ 運動中に心拍数を測れない人は
最近は心拍計付きの腕時計もありますし、スポーツジムにはランニングマシンでも心拍数を測れる機能が付いていて非常に便利ですが、それらを利用しないという方には、手首の親指の付け根あたりを反対の手指で触れて測るという方法もあります。
この場合、腕時計を見ながら10秒間の脈拍を数えて、それを6倍するとおおよそ1分間の心拍数が割り出せます。
それすらも面倒!という方は、体感強度に頼りましょう。当然、心拍数を測る方法より精度は落ちますが「息を切らさずに喋りながら動けるギリギリくらいのキツさ」が概ね脂肪燃焼に適した運動強度とも言われています。
短時間でも有酸素運動
よく誤解されるのですが、長時間続けられるのが有酸素運動なのであって、長時間続けなければ有酸素運動ではないということではありません。
動き始めてから脂肪を分解する酵素が活性化するまでには多少の時間はかかるものの、長時間継続できる強度の運動であれば、10分であろうと1分であろうとそれは有酸素運動です。もちろん長く行うほど脂肪もたくさん燃焼するのは言うまでもありませんが、それは運動を行ったトータルの時間で考えてもあまり変わりません。
むしろ体力のない方の場合は無理に長時間行おうとするとすぐにATを超えてしまうので、短時間の運動を数回に分けて行うなどした方が良いでしょう。
効果的な有酸素運動の頻度は
やりすぎると疲労が蓄積するという理由で、一般的に有酸素運動は毎日行わない方が良いと言われていますが、これは前述のような脂肪燃焼に適した運動強度で行う場合の話。
実際はこの強度に達していなくても脂肪はそれなりに燃焼しますし、人間はただ歩くくらいなら毎日できるようになっています。
これを踏まえた上で、有酸素運動は
脂肪燃焼に適した運動強度ならば週2回〜3回、それ以下の強度であれば週5回〜6回 行うのが理想的です。
少し言い方を変えると
スポーツウェアに着替えて公園やジムで走るなら週2回〜3回、買い物ついでに近所を散歩する程度なら週5回〜6回 が目安になります。
まとめ
ウォーキングであれジョギングであれ、一度の運動で目に見えて脂肪が落ちるということはありません。有酸素運動をダイエットに取り入れるなら、少なくとも2〜3ヶ月は継続しなければ効果を実感するには至らないでしょう。
まさに「継続は力なり」を地で行くのが有酸素運動ということです。
運動が長続きしないという方は、まずは心拍数や強度にはこだわらず、通勤や通学、ペットの散歩で少し余分に歩くなど、無理なく生活の一部に取り入れられるレベルの運動から始めてみてはいかがでしょうか。