ダイエット&体作りブログ「オフィスボディメイク」

サクッと読める!ダイエット&健康的な体作りをサポートするブログ

高齢者のダイエットは食事制限に注意!健康的に痩せる3つのポイント

f:id:officebodymake:20200514170818p:plain

わが国では高齢者(60歳以上)のおおよそ3人に1人が肥満(BMI 25以上)であると言われています。
 
健康診断で肥満判定が出たとか、お医者さんから痩せるように言われてるとかで、食事に気を付けている高齢の方も多いとは思いますが、実は高齢者の肥満には若い人と違った「ある特徴」があり、それによって食事制限にも高齢者に適したやり方があります。
 
そこで今回は、高齢者が食事に気を付けるなら、ただ食べる量を減らすだけではなく、この「ある特徴」を押さえた上で、こういう風に食事を意識すると、より健康的に痩せられるというポイントについて解説したいと思います。
 

高齢者の肥満に多い「サルコペニア肥満」

まず、高齢者の肥満に多い「ある特徴」とは、サルコペニア型肥満が多いということ。
 
サルコペニアとは、元はギリシア語で「筋肉の喪失」を意味する言葉ですが、要は加齢が原因で起こる筋力低下を意味します。
ではお話をしていくね。
まずその高齢者の肥満に多い「ある特徴」なんだけど、これは、サルコペニア型肥満が多いということ。
 
サルコペニアとは、元はギリシア語で「筋肉の喪失」を意味する言葉ですが、要は加齢が原因で起こる筋力低下を指しています。
 
高齢者の肥満には、このサルコペニアの合併率が高いという大きな特徴があり、それによって多くの高齢者で歩くのが遅くなったり、日常の簡単な動作で息が切れたり、最悪寝たきりになったりといった身体機能も低下しやすい傾向にあると言われています。
 

加齢自体はある程度はしょうがないとして、問題なのは高齢者はただでさえ筋肉が少ないのに、食事の量を減らすだけだとさらに筋肉が減ってしまうということ。

健康を意識して食事に気を付けたのに、結果として別の健康を損ねてしまったら意味がありません。

なので、痩せるために食事を気を付けるのはいいことですが、高齢者の場合は同時にそれがサルコペニアを助長しないような工夫も必要になってくるということです。

 

 

高齢のダイエッターが気を付けるべき食事制限の「3つのポイント」

その工夫についてですが、これは過去の記事でも紹介した「高齢者肥満症診療ガイドライン2018」を参考に、ポイントを3つに絞って紹介したいと思います。

  

1.減量による利益とリスクを勘案して、減量を行う

2.体重減少のためには、食事摂取エネルギーの減量が必要である

3.エネルギー量は1日25kcal×標準体重(kg)以下を目安とし、現在の体重から3〜6カ月で3%の減少を目指す

4.指示エネルギーの50%から60%を糖質、15〜20%をたんぱく質、20〜25%を脂質とする

5.高齢者における糖質摂取制限の安全性は確認されていないことから、極端な糖質制限はのぞましくない

6.サルコペニアやフレイルの予防のためには、たんぱく質の摂取は少なくとも1.0g/kg標準体重/日をとることが望ましい

7.サルコペニア肥満では十分なたんぱく質の摂取が必要とされるが、重度の腎障害では注意する

8.ビタミン、ミネラルの十分な摂取が必要である

9.フォーミュラ食を1日1回利用することで減量できる場合もある

10.80歳以上の高齢者の減量に関してはエビデンスがない

「高齢者肥満症診療ガイドライン2018」(日本老年医学会)より抜粋

引用元URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/55/4/55_55.464/_pdf/-char/ja

 

 

ポイント① タンパク質をしっかり摂る

 

4.指示エネルギーの50%から60%を糖質、15〜20%をたんぱく質、20〜25%を脂質とする

6.サルコペニアやフレイルの予防のためには、たんぱく質の摂取は少なくとも1.0g/kg標準体重/日をとることが望ましい

 

まずはタンパク質を摂ること。

何と言ってもタンパク質は筋肉の材料になるので、食事制限をしてこれが不足してしまうと、結局サルコペニアは助長されてしまいます。

 

具体的にどのくらいの量を摂取すればいいかと言うと

1日に少なくとも標準体重(※1 )1kgあたり1g」です。

 

※1.BMIが22になる時の体重。

(標準体重=22×身長×身長) 

 

例:身長175cmの人の場合

22×1.75(m)×1.75(m)=67.4(kg) → 1日に必要なタンパク質は67.4g

 

■ タンパク質が多く含まれている食品:

肉、魚、卵、乳製品、大豆製品など

 

 

ポイント② ビタミン、ミネラルをしっかり摂る 

 

8.ビタミン、ミネラルの十分な摂取が必要である

 

ビタミン、ミネラルというと、一見、筋力低下と関係なさそうですが、実はこれも深く関わっています。

特にビタミンDは筋肉の増強に有効だということが最近の研究でもわかってきていますし、ミネラルといえばカルシウムが不足すると骨粗しょう症になりやすいので、万が一それで足の骨折でもすれば、それこそ一気に寝たきりコースもあり得ます。

そういった意味でビタミン、ミネラルは高齢者のダイエットには欠かせないのです。

 

■ ビタミン、ミネラルが多く含まれている食品:

野菜、果物、乳製品、小魚、海藻類など

 

 

ポイント③ 急激な減量はNG

 

2.体重減少のためには、食事摂取エネルギーの減量が必要である

3.エネルギー量は1日25kcal×標準体重(kg)以下を目安とし、現在の体重から3〜6カ月で3%の減少を目指す

 

少し分かりにくい表現かもしれませんが、つまりは「急激に痩せるんじゃなくて、緩やかなペースで痩せましょう」ということと「そのためには1日このくらいのカロリーを目安に食事をしましょう」ということが書いてあります。

 

これも具体的に言うと

緩やかなペースというのは「現在の体重から3〜6ヵ月で3%の減少」するくらいのペース。

例えば現在の体重が70kgなら、3〜6ヵ月後に70kgの3%だから約2kg減らして68kgになるようなペースです。

かなりゆっくりしたペースですね。

そして、そうなるための目安が「1日25kcal×標準体重以下のエネルギー量」です。

 

例:身長175cmの人の場合

25×67.4(kcal)=1685(kcal)

 

もちろん個人差はありますが、これを毎日続けていくと3ヵ月後に体重が約3%減っているだろうという計算です。 

しかし何故こんなにゆっくりペースがいいのかというと、それは短い期間での急激な減量というのは、それも筋肉を落とす原因になってしまうから。

減量は焦らず、ある程度の長期間で行うことが重要です。

 
 

まとめ

どれも若い人にも言えることではありますが、高齢者の場合は、特に重要になってくるポイントばかりなので、高齢のダイエッターの方にはぜひこれを参考に、身体能力を犠牲にすることなく健康的に痩せてもらえればと思います。